―「新品になる」と聞いていたのに、ただの“リニューアル”だった話―

この事例は、築20年・10階建て・28世帯のマンションで実際にあったお話です。

ある日、管理会社より「エレベーターを新しくする時期が来た」と説明を受けた理事会。
「全部新しくなる」「まるっと新品になります」といった言葉が繰り返され、住民説明会でも「最新のものに入れ替わります」との説明がありました。住民の多くが「エレベーターがまるごと新しいものに交換される」と理解し、約1000万円の支出が可決されました。

ところが、いざ工事が始まると「なんか見た目変わってない?」という声がちらほら。
完成してみると、たしかに操作盤や表示灯は新しくなっているものの、エレベーターの“かご”(内部)はほぼ以前のまま。床も壁も天井も見覚えがあるまま。違うのは新たに設置された鏡くらいでした。

不審に思った住民たちが仕様書を確認すると、そこには「エレベーターリニューアル工事」と明記。つまり「新品の交換」ではなく、古い部品の一部を更新する程度の内容だったのです。

さらに工事直前に提出されていた点検報告書を見返すと、「作動に異常なし」「各部の摩耗や劣化は認められない」との記載が。つまり、緊急性もなければ、安全上の問題もなかったのです。

「言葉のニュアンスひとつで、1000万円がただの“部分更新”に消えた」
「管理会社の説明を鵜呑みにせず、自分たちで仕様書を細かく読むべきだった」
そんな住民の声が印象的だった事例です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です