インターホン改修工事の見積書について、住民から「複数社の見積書を確認したい」という要望が出た。
しかし実際には、業者名や金額が不明なまま一部の理事と管理会社で協議が進められ、住民には「すでに理事長の承認を得て手続き中」と説明された。ところがその「承認された書類」は、金額・業者名・仕様の記載がなく、いわば“白紙の工事依頼書”にサインがされているような状態だった。
さらに、住民が見積書の中身の確認を申請しても、管理会社からは「見せられない」と拒否された。
その理由として、ある業者はまだ選定過程にあり、他の理事との協議が必要であるという説明がされたが、同時にその業者が理事会で用意した仕様書に基づき、個別に見積書を提出していたことも判明している。
また、これまでも大規模修繕工事などで同様の「白紙承認」や「限定的な情報開示」が行われていた可能性があり、「住民の声を聞かずに一部の理事や管理会社の裁量で業者が決まっているのでは?」という疑念が根強く残る結果となった。
■この事例から見える構造上のリスク
- 工事の詳細(範囲・仕様・金額)が不明なまま承認される仕組み
- 情報が住民全体に共有されないことで、監視機能が働かない
- 選定の透明性が確保されておらず、特定業者と理事・管理会社の癒着を疑われやすい状態
- 意見を言う住民や理事に対して「既に決まっている」と処理する“抑え込み構造”
本来であれば、「見積書の開示」や「仕様書の確認」は当然の権利であり、住民の合意形成と透明性確保のために必須の手続きである。しかし現実には、これが形骸化し、「理事長が押印すればよい」「理事会の一部と管理会社で回していく」という流れが黙認されているケースがある。
■今後に向けた提案
- すべての見積書の開示と、理事会資料のデジタル化・共有を徹底する
- 「仕様書のない見積もり」や「白紙依頼書にサイン」は一切禁止とする
- 理事長一任の範囲を明文化し、上限額や内容を明確に制限する
- 外部住民からの意見・閲覧請求があった際の対応フローを明記する
今回のようなケースを「一度きりの例外」として片づけるのではなく、「構造的な問題」として丁寧に見直すことが、将来の損失や不信感の拡大を防ぐ第一歩になると考えたい。



見積もりは、よくよく内容を確認すると、おかしな点が浮き彫りに出来る。作成者は細かく見ないだろう、見てもわからないだろうが前提で専門的な用語を並べてくる。
今は、少し調べれば分かる時代、理事長など幹部はしっかり内容と相場観を確認する必要があると思う。